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いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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ああでもないし こうでもなくて。

▲いつまでも肌寒い日が続いてたから 冬物を仕舞い終えたのも ほんまについこの間のことやのに。いきなり真夏日。半袖、扇風機、アイスに冷や奴。
それから・・・えーっと、とりあえずビール!(笑)
それでもあちこち開けたら、さわやかな六月の風が家の中をとおる。窓の外、さやさやと揺れる木槿の木の きれいなみどり色に 見とれながら、つい うとうと 土曜日の昼下がり。たらりんと寝ころんでても「何してんねん」なぁんて 誰にも怒られへんし・・・大人っていいなあ(笑)

▲昨夜は『レセ・パセ/ 自由への通行許可証』(監督は前にここ(12/19)にも書いた『今日から始まる』のベルトラン・タヴェルニエ)という2時間50分の長篇を観ていて 遅くなったのに、前夜先に観た相方とああじゃ、こうじゃ、といつものように感想発表会をしていたので(苦笑)床についたのは何時だったのか・・・。
音楽も映画も本でも、二人の基本的「入り口」はちがわない(つもり)が、ちょっとつっこめばもう全然そのとらえ方も「出口」も違ってたりするので、相方がどう思ったか、どう考えたか 興味深い・・てなことに惹かれて「六月のハナヨメ」となってからもうすぐ27年。相変わらずああいえば、こういう。ああでもないし、こうでもなくて。

▲そんなことはともかく。
映画は1942年ナチス占領下のパリが舞台。(実話に基づいて描かれているらしい)ドイツ資本の映画会社コンティナンタルにレジスタンス活動のため、あえて入社した助監督ジャン=ドヴェーヴル。コンティナンタルの誘いを頑なに拒み自分流を貫く脚本家ジャン・オーランシュ。
この二人のジャン、映画への情熱以外は違ったタイプなんだけど、対独協力を迫られる中で、二人共 映画への愛を捨てることなくそれぞれのやり方で「抵抗」を続ける。
「レセ・パセ」とはフランス全土を検問なしで横断できる通行許可証のことだそうだ。

▲脚本家のオーランジュは恋多き男で、複数の恋人のところを転々としていて。
一方ドヴェーヴルは空爆が激しくなって妻子を田舎に疎開させるんだけど、仕事の合間にパリから妻子のいる村まで、なんと片道385kの道のりを自転車で向かう。元競輪選手だというドヴェーヴェルの自転車で走る姿がいい。瑞々しくうつくしい野や山を夜を徹して走り続ける姿がもうなんとも言えず。その背景には大好きなビゼーの『真珠採り』(byティノ・ロッシ) が流れて。(観終わったあと このチャプターだけ何回も観てしまった)

▲もう一曲 劇中何度か流れるシャンソン「時のすぎゆくままに」(原題はレセ・パセ)はこの映画の脚本を監督と共同執筆のジャン・コスモが歌詞をつけたものだそうだ。
「時の過ぎ行くままに/日々の流れるままに/風の吹くままに」「でも愛だけは見失わないで/人生を見失わないで/喜びを見失わないで」
愛も人生も。
そして表現も自由あってこそ。
どうか「自由」に「通行許可証」が要る時代など再び来ることのないよう、と つよく 思う。
by bacuminnote | 2006-06-03 21:48 | 映画