いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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両手 ひろげた浴衣 が ゆれる。

▲秋晴れのきもちのよいお天気が続く。
散歩日和。行楽日和。そして洗濯日和。
あんまり服を持ってへんってこともあるけど「服を着替える」ということが少ないわが家の面々ゆえ、日々の洗濯物はよそ様に
くらべたらうんと少ないらしい。
けど「干した洗濯モン」がすきなわたしは、廊下に立つと ついつい用事の途中ということも忘れて、庭で数少ないパンツやシャツやタオルが きもちよさそにゆれてるのをしばしぽーっと眺め、そして空を見上げる。

▲この間、新聞にその名も「干し物の眺め」というエッセイが載っていた。書き手の黒井千次氏は散歩しながら「洗濯物の干し方が変わった」ように思う、と言う。「かつては、シャツやパジャマのような衣類は、物干竿に袖を通して腕を大きく拡げる形で干されていた」のに・・・と。
そういえば、そんな干し方をした洗濯モン 長いこと見てないなあ。

▲一番には干し場が狭くなったこともあるんだろうけど、昔は今みたいに洗濯が簡単じゃなかったから洗濯籠に入れようとしたら「まだ着られるやろ」(笑)って怒られたし、圧倒的にその量も少なかったんだろうと思う。もちろん、あんな風に干す方が断然乾きやすいしね(脱水機なんてものもなかったわけだし)

▲干し場の眺め、といえば忘れられない光景がある。
子どもの頃のうちの庭。 物干し竿に両手を拡げた浴衣が 何枚も何枚も泳ぐように川風にゆられてた。
いまはどこの旅館もクリーニング業者さんに出してはるんやろけど、その頃は大きいところは別にして、うちくらいの旅館ではたいていは家で洗濯していたのだと思う。
いつだか『オードリー』というNHKの朝のドラマで 昭和30年代の旅館の女将さん役の大竹しのぶが女中さんの君江ちゃんの藤山直美(←大ファンです)と二人で浴衣のアイロンがけしてる場面があって、ものすごく懐かしかった。

▲糊付けした浴衣は乾いてくると、ゆらゆら というより ぱたぱたとゆれるんよね。
せやから、あっちでもこっちでも ぱたぱた 浴衣がブランコしてるみたいでおかしかった。
取り入れた浴衣は母が畳む。わたしも手伝いたくて横にすわってじっと見てるんだけど
「こうやって おくみとおくみを合わせて・・・」と何枚も見てるうちに、こんがらがってわからなくなる。その内ひも(五角形に巻いていく)だったら、と教えてもらって手伝ったもんだ。

▲淡いブルーグレイと白の細い横縞の浴衣、こげ茶色の紐・・・その頃のうちの浴衣、糊のぱりっときいたそれをまだ50枚ほどは そのまま置いてあるねん、とさっき電話で母。
旅館をやめてもう何十年にもなるのに。何をするつもりでもないんだろうけど、母の中にもあの干し場の眺めはいまもきっと鮮明に生きているのだろう。

▲昼下がり、洗濯モンを眺めてるうちに、そうそう と思ってこれを書いたり、母としゃべったりしてるうちに、いつのまにか外は日が落ちて、気がつけば あたりはすっかり暗くなった。
あ、せや。
洗濯モン・・入れるの忘れてるやん!

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by bacuminnote | 2006-10-20 19:15 | yoshino | Comments(0)