箱には シュウクリームがふたつ。
2007年 03月 27日
▲先日、息子(その2)が(その1)の住む東京へと出かけたので、相方と二人きりの数日を送った。生まれて二ヶ月後から医者通いが始まり、病院までうんと遠い山の中に在って、心配ばかりしてきた下の子も、去年は眼科に一回行ったきり。いつのまにか相方やわたしのほうが健康保険証を使うことが圧倒的に多く、息子はそんな親の「過ぎる」心配から解放されたい年頃になったようで、感慨深い。
▲そんなわけで、東京に行ったその日の夜、相方と天ぷらを食べに行く。
思えば、ふたりで外食なんて14~15年ぶりのこと。日頃から座り込んでは、よくしゃべるフウフだけれど、外で向かい合って座るのは落ち着かなくて。それでも、次々に揚がってくる天ぷらをほおばりながら生ビールをのんでいたら、ああ、シアワセ、とキンチョーも解け(笑)いつの間にか「ふだん」に戻る。
▲黙々と食べていた間、二人とも気になってたのが 隣席から聞こえる会社員グループの話とわかって笑う。新入社員二人を上司一人で歓迎会のもよう。「会社」に縁のないわたしらには、時折漏れ聞こえる会話がドラマのようなんである。
「あの人ら、どんな仕事やろ?」「不動産関係?いや広告の会社やろか?」とか、勝手なこと言わせてもろてる間に、天ぷらは魚介から野菜に。そして〆の天茶。
ところが、天茶のえびのかき揚げがとても美味だったので、〆のはずがもう一度かき揚げ、れんこん、生ビールを追加して・・・満腹と満足の夜、家までの道をならんで歩くも、これがまたなんだか照れくさい。
▲けど、もう何年かしたら、また「ふり出し」に戻ってふたりなのだ。昔みたいなドキドキは、とうに消えてるけど(笑)お互いに長くよき「相方」でいられるといいな と思いながら、帰り道、閉店間近の店で買ったシュウクリームふたつ入った箱を揺らして歩いた。
次の日は三食かんたんなものですませて! 三日目は夕方駅前で待ち合わせてピザを食べに行くことになった。ところがウチはこれまでも、いまもずっと家で一緒なので、外で「待ち合わせ」ということがないのであるからして、これまた落ち着かない。先に用事で駅に出てきていたわたしは待ってる間 そわそわ若者みたいに友人に携帯メール(苦笑)
▲ようやく相方が現れ、お店に入って向き合って座ったら、いきなり相方の後方 ガラス戸越しにちっちゃな男の子と目があった。家族と食事に来ている様子なんだけど、きっと大人たちはおしゃべりに夢中なんだろう。彼だけシートに立って後ろのガラス越しに「笑ろてるおばちゃん」をじっと見てる。初めは恥ずかしそうに。そのうち「いないいないばあ~」をし始めて、なんとも、かいらしい。
▲この生地はどうのこうの(パン屋の頃はよく家で焼いてたし)と いいながらも がつがつと食べる相方。わたしは、そんな相方の頭ごしに、ちっちゃな男の子と交信(笑)しつつ、ピザとビール。時々ママらしき人がこっちを振り返り、かるく会釈しはる。その間だけおとなしく座っている彼は、また少しするとこっちむいてにっこり。それだけのことなんだけど。彼のおかげでほんわか、しみじみ、いい時間だった。久しぶりのピザもおいしかったしね。
▲「うまかったけど、こんなんだけでは、また夜おなかすくなあ~」と 大食らいフウフは店を出たあと、デパートの地下で買い物をして、さあ帰ろうということになった。待ち合わせの前に 用事で歩きくたびれていたわたしは、階段がきついのでエスカレーターで回り道を。先に階段で上がった相方がエスカレーター上階できっと待っててくれるのだろう、と思ってたんだけど。
なんのことはない。はるか前方をさっさか歩いてるお方は、わがオットである。
かくして この日の年寄りカップルのデート(笑)は別々に帰宅とあいなった。