いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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訪ねていくひとになる。

▲ 寒い、寒い、寒い、温い、寒いの日々。今日は「寒い」の番。仕舞おうかと思ってた上着を又着こんで歩く。散る桜を背景のこの寒さに開田高原の遅い春を思い出す。もっとも、かの地は今雪が降っているらしい。(さもありなん)
歩道橋の上は風がつよくて「おお、寒ぅ」とつい声が出て首をすくめる。
ふっと下をのぞきこんだら、今年初め無残に切り落とされたゆりの木の枝の一つにちいさな緑色を発見。ヨカッタ。ヨカッタ。

▲ さてさて、まだまだ寒い中だけどわたしは冬眠からさめたクマのように!いつになくごそごそ動き始めている。というか、だれかが「脱・出不精」キャペーンでも張ってくれてるかのように(笑)ちょっとふしぎなくらい次々とものすごく久しぶりに会う人、初めて会う人の「出ておいでよ」「いっぺん会おうよ」がつづく。

▲まずはネット繋がりの友が仙台から奈良まで来はったので初対面を果たし。かつて友だちの結婚式帰りに名古屋→大阪の電車で話しただけの友だちの友だちと去年秋にネット上で再会。なんと今はベルギー暮らしの彼女が3月に一時帰国するので「ちょっと会おか」ということになって、31年ぶり二度目の再会。長らく住んだ沖縄から数年前 滋賀に戻ってきた友人一家も「おいでよ」と何度も誘ってくれてたんだけど、先日ようやっと近江八幡まで。 ヴォーリズ建築の古いけどそれはすばらしいお家訪問。20年ぶりの再会だった。そして、先日はとうとう福岡までひとに会いに出かけてきた。

▲二泊三日のみじかい旅ながら、こんなふうに一人で出かけるのはケッコン以来初めて。行くことが決まってからの数日はそわそわ落ち着かず、前夜はもうまるっきり遠足前のこども状態。バッグの中身を入れたり出したり。寒いのか暖かなのかわからない天気ゆえ、何を着て行こうかと悩み。ようやく準備万端整えて早めにお風呂に入ったのに、なかなか寝付けず(『最後の場所で』 チャンネ・リー著/ 高橋 茅香子 訳)を読み始めると、これがぐいぐいひっぱる文章でどんどん目も頭も冴えてきて。こりゃ徹夜か、と思ったけど、さすがにそれはなくていつのまにか眠っていた。それでも朝は目覚まし時計が鳴る一時間余りも前に起き出してしまった。

▲ 長いこと「行きたいけど、なかなか行けない」とばかり思ってた所は、けど、切符買って(←まあ、ここんとこが結構ネックだったりするのだけど)「のぞみ」に乗ったら、窓から外を眺め、昨夜の本の続きを読んでいるうちにあっという間に着いてしまった。たったの二時間半!
博多駅まで迎えに出てくれ、二晩お世話になったKさんは『麦麦』の開店当初からのお客さんだ。いつも、何回でも書いてるけど、お客さんから大事にしてもらったシアワセ者のパン屋だったと、今もほんまに感謝のきもちでいっぱいだ。

▲ 電車をのりかえ「そろそろ海がみえるよ」のことばにどきどき。いつだったかテレビで「奈良県人は車窓から海が見えると必ず『わあ』と声あげて立ち上がる」と言うてたけど、わたしもその口。身をよじり、そのうち立ち上がる。いや、川が見えてもやっぱり「わあ」と席を立ってしまうから、水のあるとこにはヨワイんやろね。

▲ 半時間余りしてKさん家に着く。彼女らしい温かなふんいきの台所(台所と本棚にはそのひとがでると思う)と大きな冷蔵庫。毎月箱いっぱい送らせてもらったパンはこの冷凍庫に入ってたんやなあと、しみじみ眺める。そういえば、Kさんちの三番目の子どものはじめてのことばは「パン」だったそうで。(当時パンといえばウチのパンだったらしい)その子ももう22歳の青年。15年前の夏休みに開田へファミリーで訪ねてくれて以来、今回二度目の再会だ。その後もずっと手紙に電話に、とおつきあいは続いているからちっとも「ひさしぶり」の気はしないけど、顔を合わすとすっかり年をとってしまったお互いに、しばし照れ笑い。

▲ 今回もう一人会ったのがKさんの紹介で知り合ったIさん。彼女は糸島というところの山の中、焼き菓子の名手。『スモールバレー・デザートカンパニー』と、その名もすてきなお菓子やさんだ。彼女ともメールに手紙と電話のやりとりでは、古くからの友だち並の親しさながら、会うのは初めてだった。
雑誌の記事やメールで写真はみていたけど「小さな谷」にある工房も住まいも、そしてご本人もとってもすてき!何よりここの台所にはうっとり。窓の前は森。シンクもガス台もたくさんの鍋やボールに籠も。清潔だけどいい感じに雑然 。グッドセンス。九州とはいえ山の中だから薪ストーヴのぬくもりが心地良かった。

▲ Iさんの運転で、彼女の仲間のお店に連れて行ってもらう。福岡と佐賀県境にある山の中のカフェは『クロモジ』。ここの厨房も本棚もやっぱり「あるじ」を表わしていてじつに魅力的。ていねいに時間をかけて作られたにちがいないごぼうのポタージュや椎茸と菜の花のトーストサンドの味も、あれもこれも手にしたくなるいい本もおもしろい本も、廃材をセンスよく使った店内も。そしてあるじの笑顔もこころにのこる。

▲春の海辺のパン屋はその名も『のたり』。お店の横に干してあったちいさなズボン。靴を脱いで上がる店先にはベビーベッドがあって、若いふたりの「いらっしゃい」のすてきなこと。ミキサーにオーヴン、ああ、これ、これ、このにおい。そしてそして、カンパニューおいしかった!
決して裕福ではないけど(たぶん)こころゆたかに暮らす人たちがいて。開田の頃の生活や友だちを思って、とてもなつかしい時間だった。

▲ 夜、Kさん心づくしのご飯をいただいてたら「ただいま~」の声。なんと仕事で離れた所に住む娘のAちゃんが顔をみせてくれたのだった。「麦麦のおばちゃんに」と何度か手紙をくれた小学生の女の子は、いつのまにかうつくしくしっかりした大人の女性になっていてカンゲキ。老親がよく言うように「ほんま、わたしらも年とるはずやなあ」とおもう。

▲たのしい時間は「あっという間」にすぎて、帰る日がやってきた。朝からIさんが車で迎えにきてくれスモールバレーにてIさん自作バジルペーストたっぷりのパスタやサラダをごちそうになった。出かける前、彼女からもらったメールにあらためてじーん。
「いつも人を迎えるタイプの人と思うから たまには 訪ねていく人になってね」
ふたりに迎えてもらった夢のような時間を思いながらも、二時間半後は大阪だ。家に帰ったら、相方と息子がレトルトカレーを温めているところで。ああ、ゲンジツ(笑)
出発前々日から煮ておいた大鍋おでん(炊き出しに使うようなでかいアルミ鍋)もみごとに完食。外食一回。ごちそう尽くしだったわたしに比べたらえらいシンプル。すまん。留守番おおきに。あ、けど、また行きたいです。
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by bacuminnote | 2010-04-16 14:29 | 開田村のころ | Comments(0)