いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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ありったけの愛を。

▲ 「走る」という字のつく年の暮れながら、冷えたのか、年のせいか、もしかしてやっぱり重量オーバー?(泣)とにかく昔傷めた膝が痛くて、走れずゆるりと過ごす今日このごろだ。(←「いつもやん」という声が聞こえてきそうやけど。)

▲買い物や図書館に行くときは、遠回りでも階段や坂道を避けて歩く。ゆっくり歩いていると、おなじように足をかばう歩き方をしてる人に目が行く。杖をつき、手すりを撫でるようにしながら、手押し車を押しながら、おつれあいの体に寄りかかるようにして。あるいは車椅子やシルバーカーの人。そうだ。ちっちゃい子連れのひともおなじスピードで。わたしもまた「ゆっくり」の列にまじって歩く。

▲ 痛いところがあるとつらいものの、しかし、冬はすきな季節だ。顔がぴりぴりするような冷気のなかを歩いてるときや、信号を待つあいだに澄んだ空を見上げるとき。風がびゅんびゅん吹き抜ける歩道橋からモノレールが4両のんびりと走ってゆくのが見えるとき。笑い声もため息もすぐさま白いものに変わるのもいい・・・なんてことを言いながらも外から帰ると「ああ寒かった~めちゃ寒かった」と一番大騒ぎするのはこのわたしなんだけど。

▲ 昨日、今日と 『オール・マイ・ラヴィング』(岩瀬成子著/ホーム社刊)を再読。たぶん今年いちばんたくさん読んだのが岩瀬成子さんの本。そしてその火付け役になったのがこれだ。
1966年。ビートルズが来日した年。そしてビートルズが何よりもすきな中学生の喜久ちゃんが主人公の物語。

▲喜久子はお母さんを病気で亡くし、洋服の仕立てをしているやさしいお父さんと高校生の姉と中国地方のちいさな町で(とくに地名は書かれてないけど、著者の生まれ育った島根県岩国かなあ、と想像する)三人暮らしている。

▲ 東京からの転校生 白石さんもビートルズファンだと知ったときの驚きとよろこび。そうして二人でディーゼルに乗って隣町まで行って映画で初めて「動くビートルズ」を観たときのカンゲキ。米軍基地の「ガイジン」を好きになった姉のせつない気持ち。そんな姉を心配し悩みつつ、うまく接することができないお父さん。喜久子が毎日のように入り浸ってる文房具店のおばあさんと息子。学校ですきな男の子、友だち。近所の人たち。それから、折にふれて登場する「元気だったころ」のお母さん。

▲ほんとに、なんということのない日常なんだけど、それでも日々のちいさなできごとは思春期の喜久子を揺らし、わたしも一緒に笑っては揺れ、泣いては揺れた。田舎における少数派音楽愛好!ゆえの悲哀も、妹だから の甘えや息苦しさも。何より、だいじなひとと別れる痛みも、本を読みながらなつかしくやるせない思いでよみがえってきた。

▲ そうそう、ビートルズが来日した’66年というと、わたしはまだ小学生だったんよね。ビートルズの音楽より「ビートルズがやってくる」とコーフン気味だった五歳年上の姉(つまり岩瀬さんと同じ年)のことの方がよく覚えている。当時高校生だった相方に「その日」のことを聞いたら、公演はテレビ放映すると知り、試験中で早く帰れたのでカラーテレビのある祖父母の家までわざわざ見せてもらいに行ったそうだ。(試験中やのに・・・笑)さっき調べたらこの時の視聴率はなんと60%だったらしい。

▲ しかし、この日本公演のチケットはハガキによる抽選販売でなかなか入手困難だったとか。本文中にも出てくるけど、喜久子は往復はがきを「一人一枚に限ると書かれていたが、一枚の可能性を信じるわけにはいかなかった。」と、45枚も出す。
ライオン歯磨きの箱に応募券がついていたので、お父さんに「そのうち使うもんだから」と10箱もまとめ買いしてもらう場面があって。その健気さとビートルズへの愛に泣ける。結局はそれでも抽選にもれ、喜久ちゃんは家出するんやけどね。続きはどうぞぜひ読んでみてください。

* 追記
Beatles 『All My Loving』(You Tube)

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by bacuminnote | 2010-12-20 00:48 | 音楽 | Comments(0)