いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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うつっていないもの。

▲ 台風が通りすぎてゆく途中で夏を落っことしていったのか。いつまでも暑いこと、暑いこと。さすがにもう飽きたなあ、と思いつつくたびれた半袖Tシャツを今日も着た。街を歩いたらマネキンはコートにマフラー巻いてたりするのに。文房具屋さんの店頭にはもう来年のカレンダーや手帖が並んでるのに。居座る夏と出番待ちの冬の間で遠慮がちに見え隠れの秋よ!ぼやぼやしてたら冬に先越されるよ。早いこと みんなの前に出て来てください。

▲そんな毎日だけど(だから)久しぶりに大根とお揚げさんの炊いたんが食べたくなって。ことこと煮た。家じゅうに煮物のにおいがひろがって、ああ大根のにおいって 夕餉のにおいやなあ、と思う。
でも、まだまだ煮物には暑いしね、ビールのみながら(←やっぱり)本読みながら、引き続きことこと。母に電話したら「今日は何こしらえてるん?」と聞かれる。「大根の炊いたん、でっか。そら、よろしなあ。けど、変われば変わるもんやなあ」と呆れたように笑われるのもいつものこと。

▲野菜嫌いの子どもだった。
とりわけ大根の煮物はそのにおいも味も、それこそ「大」がつくほど苦手やったんよね。祖母にも母にも姉たちにも、学校では友だちやセンセにも「だまされたと思っていっぺん食べてみ。おいしいねんから」となんべん言われたことか。大根だけやなくて菜っ葉の炊いたんも、生野菜も苦手やったからガッコの給食の思い出は「残されて食べた」に尽きる。何がそんなに嫌だったのか思いもつかないけど。とにかく、いまでは野菜はすきな食べ物になってほんまによかった。そして、 ひさしぶりの大根はしみじみとおいしかった。

▲その夜のこと。何日か前にTwitterでみかけた「おしん」「大根めし」という言葉を思い出した。当時はひたすら我慢と辛抱の美談と思いこんでたし、ちょっと苦手かも~と リアルタイムでは観ることのないドラマだったんだけど。今年はじめからはBSで再放送されているようだし、映画にもなって今秋公開され、ノベライズもされたそうで。ネット検索したらいっぱいヒットした。「大根めし」はその頃の東北(山形)の小作農の貧しい暮らしの象徴で、それすら、おしんの子ども時代にはお腹いっぱいに食べられなかったそうで。時代がちがうとはいえ かつてのわがまま娘にはことばもない。

▲いや、それにしても30年も前のドラマが、なぜ今また映画に?
「おしん」の一生を描いた物語をどうして少女時代に焦点を当てたんかなあ?とか・・・いろいろ思ったりしながら鑑賞中。(関心のあった途中から見始めたけど長い!)
いまは敗戦後のあたりを観てるけれど(アジア太平洋戦争の)戦争前や戦中の人々の様子は今に繋がる空気も感じられて、こわくもあり興味ふかい。

▲おしんとその家族を中心に民衆の生活や、戦争への思い~不満を感じるところもあるものの、国や軍に対する疑問や怒りも、想像していた以上 辛辣に描いてるなあと思う。
何より30年前はこれをNHKの朝ドラで放映して高視聴率を獲得していたわけで。むしろ、こういうことを「想像以上」と思ってしまう「いま」の状況が問題なんやろなあ、と暗い気持ちになったり。
頭のなかは考える種と付箋だらけで、いまだ混乱のさなか~(苦笑)。

▲ ちょうど同じころに『戦後日本史の考え方・学び方  歴史って何だろう?』(成田龍一著 河出書房新社2013年刊)を読み始めており。これは「14歳の世渡り術シリーズ」の本なので中学生を対象に書かれていて、とてもわかりやすい。でも読むのはかんたんでも「考える」ことは易くはなくて。40年以上前の中学生(!)は錆びついた頭をみがきつつ 学び直さねば、と痛感。

▲そういえば、この本には考えるヒントとして映画『ALWAYS三丁目の夕日』(2005年山崎貴監督)が、たびたび登場するんよね。描かれた世界、描かれなかったこと。「歴史と記憶のちがい」。
歴史が描かれるドラマや映画は、それが物語の中心であっても、背景であっても、おもしろければおもしろいほどその世界にすーっと自然に入り込んでしまうけれど。つねに画面には映っていない部分や世界(描かれなかったもの)が在ることを、感じたり想像できる知識が必要と思う。
ああ、学びの秋です。

【たとえば、これまで見てきた高度経済成長の時代を語るとき、私たちが生きている「いま」がどんなかたちで持ち込まれているのか、そこまで思いを巡らせてみることが「歴史とは何か」を考えることなんです。『ALWAYA三丁目の夕日』は、高度経済成長の時代を、みんな貧しいけれども助けあって生きていた、まだ町内のまとまりがあった、人が温かかった、みんなが夢をもっていた時代として描きました。しかし、それは不況の「いま」を見てしまったからではないのか、ということです。】(”歴史はあとから語られる“より抜粋)

【自分たちが生きている「いま」をどう考えるか、という視線が過去に向かい、そのとき、必然的に、過去を「いま」と結びつけて考えること。このことこそが歴史ということになります。
いっぽう、「いま」を考えるということは「この先どうするか」ということと結びついているわけですから、過去を考えるということは未来を考えるということでもあります。】(”歴史は「いま」から逃れられない”より抜粋)

【歴史はひとつではない、しかし、なんでもありでもないのです。】(おわりに より)


*追記
その1)
ここを書いていた思い出した文章がある。
以前光文社から出ていた月刊誌『本が好き』(休刊中)の中にあった金原瑞人氏の連載『今月のYA(ヤング・アダルト)招待席』~第二十五回(2008年7月号 "「かつての記憶」と「これからの記憶」が交錯する物語" として
絵本『ちいさなあなたへ』と『てを つなご』の紹介のあと、こう書かれていた。

【おそらくここに介在するのは、「かつての記憶」と「これからの記憶」、そのふたつをつなぐ「いま」。ここで過去と未来が重なる。あざやかな記憶、あいまいな記憶、記憶に残っていくもの、そして記憶からこぼれていくもの……しかし「記憶」ってなんだろう。
今年の初めからかかわっていた『トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使』パトリック・ハンフリーズ著 金原瑞人訳 東邦出版』)が出版の運びになった。いたるところに、トムの名言、金言、格言、箴言がちりばめられてる。そのなかからひとつ。
「記憶ってのはいったん事実をばらして、また組み立て直す機械みたいなものだ。そのあとには、必ず部品がいくつか余ってる」】

その2)
12月に公開される映画『ゼロ・グラビティ』予告編1にも流れてたけど~ 
エストニアの作曲家Arvo Pärt(アルヴォ・ペルト)の"Spiegel im Spiegel"(鏡の中の鏡)という曲~3つの楽器バージョンあって、わたしはチェロとピアノ版がいちばんすきです。
celo and piano→
violin and piano→
cello and harp→

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Commented by lapis at 2013-10-23 00:48 x
朝晩ぐんと冷え込むようになってきました。
私も大根とお揚げさんの炊いたんが食べたくなりました。
でも、こちらのマーケットにはまだ大根が並んでいないんですよ~。

日本にいても朝ドラとかはまったく見ない人種でしたので、
『おしん』は、実はオーストラリアで見ました。
当時、向こうではものすごい人気で、滞在宅の家族が毎日見るので私も仕方なくお付き合いでしたが、
見始めるとかなりはまりましたね。
日本の明治の女性の人生の話を外国で外国人と共に見るというのも、なんだか奇妙な体験でしたね。

戦後日本史というのは、受験に出ないからとずっと無視され続けて来ましたからねぇ。。。
その時代に生きながら、その時代を知らないと言うか・・・。
歴史なんて、たいそうな言葉の真の意味はわからないけれど、過去と未来の間でなんとなく流されて今を生き延びております。
私にできたことは、激動の時代を見続けてきたこと。(内から外から)

トム・ウェイツは、同世代を生きて来ましたのでね、その時々で心に引っかかる人です。
Commented by baku at 2013-10-23 13:22 x
lapis san
コメントありがとう。うれしい♪
今日はようやく扇風機をしまって、かわりにストーブ類を出してきました。台風の影響か(つぎつぎ来る!)冷たい雨がざあざあ降って、足元からじーんとひえる午後です。

『おしん』!オーストラリアで観はった、というのが「らしい」というか(笑)
時期をずらして観る、あるいはlapisさんみたく外国で観る、ことで「みえてくるもの」があると思う。わたしも思いの外 はまってしまいました~

lapisさんの「内から外から」見続けてきた、というのは羨ましくもあり、とても大きいこと、と改めて思います。わたしの一生のうちにはたぶん経験できそうにないから、せめて「井の中の蛙」であっても「大海」を想像できるアンテナ(感受性と知識)はしっかり持ってないと、と痛感します。

トム・ウェイツ!(←すきです)むかし初来日のコンサートにも行きました。歌の意味がわからなくても音楽はすばらしいんだけど。歌の合間のトムの話(英語)が理解できなくて・・会場で(彼のウイットに富んでる、のであろう話をわかるひとの)笑い声聞きながら、とても悔しかったことを思い出します。
by bacuminnote | 2013-10-12 17:32 | 音楽 | Comments(2)