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いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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はつぞらへ。

▲ 買い忘れたものを買いに近所のスーパーに出かける途中どこからか、ぷ〜んとええにおいがして足が止まった。目の前のマンションのいくつも並ぶ窓のむこう、大晦日のだいどこ(台所)を想う。
この甘辛いにおいは「お煮しめ」やろか、それとも「鯛の子の炊いたん」か。(←大好物)料理人は年配の方かなあ。案外若い男性かもしれへんなあ〜とか考え始めると、無機質な四角い建物が とたんに体温をもち「家」になる気がする。

▲この間は恒例、相方旧友宅での忘年会だった。
「こうれい」とキーを打つと一番に「高齢」と出たから「その通り!」とパソコンにむかって笑う。
せやかてね、今回は若い人ら(子どもやその子ども)の参加がなかったので、今年カンレキのこのわたしが最年少(笑)。
その気になれば会いにいける距離に暮らすのに、皆そろってモノグサ揃いで、ここんとこずっと一年に一回の再会だ。

▲昔は昼から夜遅くまで、なんぼでも食べて飲んで、しゃべっては飲んでたのが、うそのように、みな食べる量も酒量も減ってしもたけど。
にぎやかに、なつかしく、おいしくて、何よりええ時間だった。また、来年も、再来年も、何年でも。こうして会えるといいなあ〜と思いながら、帰宅不能な酔っぱらい一人(苦笑)を友人宅に残し、4人駅へと向かう。
空みあげたらお月さんがきれいで。友人が得意そうに話す「上弦の月とは?講座」を聞きながらゆっくり坂道を下った。年暮れゆくまちもきれいだった。

▲ この間レンタルショップの「海外ドラマ一枚無料券」でデヴィッド・フィンチャー監督というのに引っ張られて『ハウス・オブ・カード』というのを一枚借りて帰ったら、ツ◯ヤの思惑に、まんまとはまり(苦笑)とうとうシーズン2まで観ることになってしまった。
“house of cards”というのはトランプ(カード)で作った家、とか不安定な(危なっかしい)計画のことをいうらしい。「野望の階段」という副題の通り、ホワイトハウス入りを目指す下院議員のフランク(ケヴィン・スペイシー)が、その階段を登ってゆく物語なんだけど・・。

▲主人公はなかなかの冷徹な策士で。まさに目的遂行のためには手段を選ばず、したたかに周囲の人たちを思い通りに操ってゆくんよね。
昔はドラマはドラマ。現実とはちがうと思って観ていた気がするけれど、いまや現実は時にドラマを越えたりしてるから。困ったことにドラマのとんでもないような展開ですらリアルに響く。
2014年もまた政治に失望するさんざんな一年だったけれど。相方と「そういえば、政治の“政”ってどういう意味なんやろ?」という話になって、調べてみて愕然とした。

▲白川センセ曰く
《正は城郭で囲まれている邑(まち)を責めて征服するの意味で、征服地の人びとから税をとることを征という。攴ぼく(攵)はうつ、むちでうつの意味である。政とは征服した人びとに税を出すことをむちで強制することをいう。(中略)もとは貢ぎ物や税金を取ることが、政治(まつりごと)、治めることのおもな内容であった》
(『常用字解』白川静 平凡社 刊 p358より抜粋)

▲さて、年がかわらないうちに書きおわるつもりだったのに、途中何度も「だいどこ」を行き来してるうちに「来年」は「今年」になってしまいましたが(苦笑)
今年もどうぞよろしくおつきあいください。
そして、そして
今年こそ佳き年になりますように。いや、佳い年にいたしましょう。

「初空へ今年を生きる伸びをして」(句集「変哲」小沢昭一)



*追記
今年いちばんに聴いたこのうた。
Tom Waits - Tom Traubert's Blues →
by bacuminnote | 2015-01-01 00:23 | 映画