いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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かさこそと音がする。

▲ りりィの訃報におどろいた次の日レナード・コーエンが、そして一昨日はレオン・ラッセルが亡くなってしまったと知る。
十代のころから今に至るまで、聴いたり観たりの人らの訃報に、しょんぼりしてたら、ひさしぶりに幼なじみから電話がかかった。
てっきりロック好きのかれのことやから、レナード・コーエンやレオン・ラッセルを偲んで・・の話かなあと思ったら、思いがけず中学校の同級生の死を知らされた。

▲そうして、今日出かけるまえ何気なくのぞいた郵便受けに「年賀欠礼」のはがきが入ってた。
パン屋のころのお客さんのおつれあいからだった。
パンから始まったけど、パンをこえて~こどものこと、食べもの、福祉や原発のこと・・・手紙をやりとりもした方。わたしらが店を閉めてからも、毎年グッドセンスな年賀状にご自身の活動やご家族の近況をユーモアたっぷりしらせてくれて。いつもたのしみにしてた。一度もお会いすることはなかったけれど。さみしい。さみしいです。

▲11月は義父が急逝し、パン焼きをやめてしまった月でもあり。
人には誰の上にも、いつか終わりがくるのはよくよくわかってる。(つもり)
けど。みんな早すぎるよ~
紅葉した街路樹の脇を歩いてるといろんなことを思いだして、足元に散らばった葉っぱみたいに、心の中にも、かさこそと音がして。
なんども立ち止まっては、そのつど見上げた空がどきっとするくらいにきれいな青色やったから。よけいに胸がつまった。

▲いっぽう、11月はだいじな人たちの誕生月でもある。
友よ、姉よ、みんな。ばあさんになっても、いつまでも少女のようにうきうきと互いの誕生日を祝おうね。
なぜか出会えたわたしたちの「偶然」になんべんでも乾杯しよう。

「歯が大事友だち大事冬林檎」(火箱ひろ)

▲・・というわけで、11月生まれの一人、旧友Jはいまから3ヶ月近くはわたしよりひとつ年上となる!(笑)
赤ちゃんのころの3ヶ月は大きいけど、ええ歳してそれくらいの差が何やねん!・・・やけどね。こどもみたいにムキになってそんな話ができるのも、またたのし。

▲そういうたら、この間読んだ『ハルとカナ』(ひこ・田中作/ヨシタケシンスケ絵/講談社2016年刊)にも、そんな場面があった。
主人公はタイトルの通り、八歳、小学二年生のカナとハルだ。
カナのなかよしのユズは、ハルのことを「かあさんのおなかの中にいたころからの知り合いなんだよ」って言うんけど。
ユズはハルより25日 先に生まれており。
「じゃあ、ユズちゃんは二十五日間、ハルくんより一歳年上なんだ」とカナが言い、
ハルは「そう、ぼくはユズちゃんより一歳年下のときが二十五日ある」と返す。

▲こういうやりとり、たのしいなあ。
そのむかし、四姉妹で、だれが何歳年上で、いくつ年下だのとよく言い合ったっけ。姉たちはいつも自分の方が○歳も年上だといばってたけれど、今では末っ子(わたし)がいちばん若いといばってる(笑)が、オール60代となっては、オールおば(あ)ちゃんなのであって。

▲この本は8歳の女の子カナと男の子ハルの、ちいさな疑問や気づきや思いが、なんてことのない日常のなか描かれるんだけど。
けっこう覚えてるつもりでも、忘れてしもてる「こどもの時間」を、あちこちでみつけては、ほっぺたがぽぉーっと温うなる。
【音楽の時間。『ドレミのうた』をみんなで練習した。カナは、ハルの声はどれかなとさがしていた。】(p110)というとことかね。
お互いになんかわからへんけど、ちょっと意識してしまうとことかね。かいらし。

▲あと、ベランダで洗濯物を夜干しする両親をリビングのソファーでハルがねころんで眺めてる場面がすき。

【ハルがいちばん気に入っているのは、夜の洗濯物干し。すこし冷たい風が吹くと、頭の中がすっきりする感じがして気持ちいい。あちこちの家の明かりがキラキラともっていて、とてもきれい。(中略)ガラスのむこう側。ふたりはハルに背中をむけながら、いっしょに干していく。洗濯物をわたすときとうさんが何かをいって、受け取ったかあさんが返事する。ふたりの笑ってる横顔が、ときどき見える。】(p14)

▲ええなあ~おかあさんとおとうさんが、”○○してくれへん?” でも ”○○してよね!”・・でもなく(苦笑)ごく自然にふたり並んで家のコトしてる姿。(ひこさん本にはこういう場面がさらりとでてきます)
もちろんフウフ(ハルにとっては親)って、こんなにヘイワな時間ばっかりやなくて。
(ふたりは)「顔を見ないで話すことがある。何かいいかけてやめることもある」(p8)んだけどね。そりゃ、大人にもそのときそのときの事情や機嫌や体調ってもんがあるから。
けど、そういうときのふたり(親)の話し声が、微妙に高かったり低かったり・・いつもとちがってることも、こどもはちゃあんと気がついてるんよね。

▲こどもの時間、といえば、いま『8歳から80歳までの世界文学入門』(沼野充義編著/光文社2016年刊)という本を読んでいるところなんだけど、そのなかに「シリーズ 文学のなかの子ども」というのがあって。沼野氏が三人(小川洋子・青山南・岸本佐知子)の作家や翻訳者とそれぞれ対談をしていて、これがとてもおもしろい。
とりわけ小川洋子さんとの話が印象深かった。

▲こどもの頃や若い頃に、一度だけ読んだものや教科書で一部だけ読んだ古典とか(小川さんがやってる本を紹介するラジオ番組で)読み直す機会があって、それはとてもいい経験になっているという話。
【沼野先生がおっしゃったように、文学遺産と呼ばれるものは、何回読んでも、そのときの自分の心の状態や年齢によって、あらたな側面を見せてくれる。えーっ、こんな宝石を隠していたのか、と言いたくなるような発見がしばしばあります】(p75)

そして、過去に読んでその記憶にたよってるけど、そもそもその「記憶を捏造していたということがある」というのも共感!
『走れメロス』がハッピーエンドやったことや、小川さんが長いこと『フランケンシュタイン』を怪物の名前やと思いこんでいたこと(わたしも長いこと誤解したままでした!)

▲【小説との出会いが、その人の中でいろいろなものを発酵させて生み出している。何年もたって読み返してみると、また違った発酵が起こる。でも、そうなるためにはやはり、小さい頃から本を読んで、発酵のための糠床を用意しておく必要がありますね。素晴らしい児童文学を大人になって初めて読むときに、「あっ、これを、十歳のときの自分に読ませたかった」と後悔することがしばしばあります。】(p77)

▲せやからと言うてガッコや家で「押しつけ」のような読書はおもしろくないもんね。
どうやったら、こどもらに「届く」かなあ~といつもおもう。でもウチの息子たちも、聞くと相方も、十代のはじめ頃までは自発的に本を読んでなかったのに、ある時期から(各自決定的な出会い~があって)モーレツに読み出したみたいだし。

▲小川洋子さんはこどもの頃からほんとうに本好きな少女だったんだなあ~というエピソードがいくつか対談中にも出てくるんだけど、いちばんすきなんがこれ。
学校の図書室で本を借りてきた帰り道~
ランドセル揺らして、はあはあ言いながら走る少女の姿がすぐそこに見えるようで、うれしくなる。

【早く読みたくて走って帰る。するとランドセルの中で本が、急かすようにカタカタ鳴るんです。その音が、子ども時代の幸せを象徴するものの一つです】(p74)


*追記
その1)
りりィ~このひとの声も歌もすきだけど、映画に出てはるときも、目立たない役なのに強い光を放つとこがかっこよかった。『リップヴァンウインクルの花嫁』(岩井俊二監督」の母親役をみたのが最後になってしまいました。

レナード・コーエン~若いときからよく聴いてるけど、歳とらはって枯れた感じが渋くてよかった。せやから、かっこいいじいさんのまま、ずっといいうた聴かせてくれる(じっさい、ついこの前新譜が出たとこやし)と思ってたから。ショック。以前(ここには須賀敦子さんの本にでてくるレナード・コーエンのこと書きました)

レオン・ラッセル~このひとの”my cricket”は大すきな曲→
いつだったかここ「追記」にutube貼ったことありました。

高校生のころのわたしはピアノとうたでは、レオン・ラッセルよりエルトン・ジョンの方をよく聴いてたんだけど。この間ものすごく久しぶりに”a song for you”を聴いて泣きそうになりました。ええ声や。
そして、そのふたり→

その2)
この間から観た映画の中からふたつ。

『孤独のススメ』 (原題「Matterhorn」)→ディーデリク・エビンゲ監督、初の作品やそうです。オランダの緑多い田園地帯にひとり暮らす初老の男性。毎日きっちり6時にお祈りをしたあと夕飯を食べる。日曜にはスーツを着て教会に行く。

この主人公フレッドも、突然どこからか現れることばもろくに話さない無精髭の身元不明な男性も(ほかの登場人物も)どこかなんかヘンな感じなんですが(北欧の映画っぽいふんいき←すき)成り行きでそんな2人が同居生活を始めることになって。フレッドの型にはまった生活が少しづつ侵食されてゆくんだけど。

常識や他人の目やちっぽけなプライド、そして性別・・・いろんな縛りから解放されることで、人は人とむきあえる(愛しあえる)と思いました。寓話的?とおもえる場面もいくつかあって、86分と短いけど、ふしぎな魅力にひっぱられ、観終わったあともしずかな余韻がずっとのこる映画でした。

『ハロルドが笑うまで』(原題”Her er Harold”)
あ、これもさっき書いた北欧の作品です。
こだわりのある家具屋を営んでいた老店主が、店の前にできたノルウェイの(というか日本でも有名ですが)大型家具店IKEAの創業者であるイングヴァル・カンプラードの誘拐計画を決行する~という、やっぱりちょっとヘンでふしぎな、そしてこれまた成り行きで若い女の子(よかった!)も誘拐に加わって。

その3)
そして、きょうはやっぱりレナード・コーエンを聴きながら~R.I.P.
Leonard Cohen - Bird on the Wire 1979

こっちは歳とらはってから。2013年のライブ版。ええなあ。

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Commented by daikatoti at 2016-11-17 07:11
りりぃさんって、亡くなったんですね。
亡くなったことより、あの深夜食堂のアジの開きに出てくる粋なおばさんがりりぃさんだと知った衝撃の方が大きいかな。
あんな粋な女性を演じられる人になってたんだよね〜
あ、おはようございます^^
Commented by hasikkoami at 2016-11-17 08:31
おはようございます。

>りりィ

「私は泣いています」を小さい頃に口ずさんでいた記憶があります(笑)
「リップヴァンウィンクル」も「湯を沸かすほどの熱い愛」も未見なので、
私は見たのは「FOUJITA」が最後かな。

そしてまた、こんなところで何ですが(笑)
週末(観光で)富山に行ったのですが、
富山市立図書館があまりに素敵過ぎて、
心底富山市民が羨ましかったです。
(我が町のオンボロ図書館とは大違い;;)
以上、図書館萌え報告でした(笑)
Commented by bacuminnote at 2016-11-17 09:39
■ daikatotiさん
おはようございます。今日もぽかぽか小春日です。
りりィさん「深夜食堂」に出てはるんですか?知らんかった。しかも「アジの開き」というのが気になる!さっそくチェックしてみます。

わたしの観た映画ではたいてい化粧っ気もなく「とった歳」をかくさず、迫力あってかっこよかったです。
近頃はもう雑誌(←買うことなくなったけど)でもアンチエイジングとか化粧品の話ばっかりで。「若作り」は、いらん~(苦笑)の気分やから、役柄(役作り)というのもあるかも、ですが、ええなあと思ってました。

Commented by bacuminnote at 2016-11-17 10:02
■amiさん
>「私は泣いています」を小さい頃に口ずさんでいた記憶があります

この「小さい頃」っていうのに反応しつつ(笑)おはようございます。

観光で行かはったのに図書館に~というので、amiさんらしい!と、わろたあと(すまん)
ん?もしかして富山というたら~あの、とググって納得。ここのことですね。すごーい。→http://tani-design.com/blog/post-1840/

図書館が充実してる(箱だけとちごて中身が)まちは「住んでみたいまち」ですよね。あとはamiさんやないけど「図書館の隣の映画館」がええミニシアター!っていうまち。
by bacuminnote | 2016-11-16 09:20 | 本をよむ | Comments(4)