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いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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ただの年。

▲12月31日、朝。
ええ天気。冬の青空がほんまにきれいでうれしくなる。
「ふらここや空の何処まで明日と言ふ 」(つつみ眞乃)
ふらここ(ブランコ)は春の季語だけど、年の暮れに空を見上げるといつもこの句をおもいだす。

▲こどもの頃はおこたでテレビ「紅白」につづいて「ゆく年くる年」を見てたから、除夜の鐘の音のあと、司会者の「あけましておめでとうございます」が年を越したという「合図」だったけれど。
テレビの途中トイレに立って、ふと窓からみた真っ黒な空のどこかに線が一本あって、ここから今年で、あそこからは来年、ってなってるんやろか?と、じいっと眺め入ってたんよね。

▲今年はつらいことの多い一年だった。
昨年末から起きた膝痛から始まって(おかげさまでこれはその後だいぶよくなりました)、長いブランクのあと還暦を機に再会した同級生たちが、思いもかけずかけ足で遠いとこにいってしまった。それに、十代のころからずっと聴いてきただいすきな(というかわたしにとって大きな)ミュージシャンも次々と旅立って行った。
ひとにはいつか誰とでも別れがあることは、わかってる。そのつもりやったのに。おろおろしてる自分に「しっかりせんかい」と言い聞かせる。

▲けれど、一方では出会うことの多い一年でもあった。
近く遠くの友人たち、なかにはリアルに会うのは初めての方もいて。愉しくかけがえのない時間をすごした。
そして本も映画も音楽も。しょんぼりするわたしを何度もたすけてくれた。
膝痛がすこし落ち着くと、杖持参であちこちに出かけた。映画館に、講演に、そしてだいすきな人たちに会いに。

▲この国だけじゃなく世界のあちこちから耳に入るニュースは相変わらずひどいものばかりで。
我慢ならないことは、この国の総理大臣というひとが発することば。嘘に嘘を重ねて平然と発するそれは、ことばを冒涜していると思う。
こどもたちが彼のスピーチを聞いて、ことばが本来もつ意味を取り違え、ことばとはなんとあてにならない空疎なものなんだろ、とことばを軽んじるようになるのではないだろか。

▲さて、朝から書き始めたのに、洗濯物ほしたり買い物に出たり、洗い物したり、数の子塩抜きしたり、大量に牛蒡のささがきしたり(今夜は鴨鍋なり)、息子ふうふと、飲んだり食べたりしゃべったりしてるうちに、今日(今年)もあと少し。
結局書きたかった本のことは書けずじまいで、「線のむこう」に行ってしまいそうです。

▲今年もつたないブログを読んでくださって、おおきに。ありがとうございます。
2017年こそ佳き年になりますように。
だれにでも温かいねぐらがありますように。
ちいさいひとたちが(おおきいひとたちもまた)笑顔ですごせますように。

「只の年またくるそれでよかりけり」(星野麥丘人)
by bacuminnote | 2016-12-31 23:56