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いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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金銭と快楽と健康と。

▲12月に入って突然冬がやってきたかのようで、からだがびっくりしています。
信州でいる頃は、大阪の寒さなど「何それ?」なんて思ってたくせに、大阪に転居して二回目の冬にもなると「寒いなあ」を言わない日はなくて。
からだがまた関西仕様に戻ったのかなあ?(笑)いや、「寒さ」を語るその基準値?が変わるんですよね。たぶん。
開田高原では寝室で一晩中つけっぱなしのFFヒーターの設定温度は12℃。今は寝る前1時間ほどだけエアコンをつけるんだけど、それは20℃の設定で。
ん?どうなってるん?・・・と混乱するわたし(笑)

▲一昨日、昨日の冷え込みで、かの地は積雪50cmだったそうで。友人が朝一番に送ってくれた雪景色の画像に思うのは「寒そう」ということより、きーんと冷えた空気。のんびり上がる白い煙突の煙。どこの家でも玄関に並ぶいっぱいの長靴。部屋に入るや 冷え切ったからだがとろけるような薪ストーヴのぬくもり。
けど。
この極上のあたたかさを味わえるのは、今朝は早くも零下10度になったという 厳寒の地に暮らしてこそ、なんだろな。きっと。

▲こんなこと思ってるとほかほかやさしい気持ちになるけど、相変わらず毎日毎日こころが凍り付くようなひどい事件が続きます。とりわけちいさな子どもが標的になる事件には胸が痛みます。
どこで読んだかは忘れてしまったのだけど「子どもに一番影響を与えるものは親や友だちよりも社会である」という一文を思い出しました。
ずる賢くお金儲けする大人が、大嘘ついても悪いことしても平気な顔してる、そんな大人が威張ってこの国を仕切ってて。そのしわ寄せは全部 持たざるものに、弱いものに、抵抗できないものにやってくる「社会」。

▲そういえば。
去年の暮れに亡くなったスーザン・ソンタグが5年ほど前に大江健三郎と『未来に向けて』という往復書簡を新聞紙上で交わしていて「いま、多くの人々が何かの行為の動機として理解できるのは、三つだけ。金銭と快楽と健康です」と語っていました。

▲お金と快楽と健康かぁ。
結局のところ「自分のため」ってことなのか。
街行けば、皆そこそこにおしゃれで身綺麗でスマートだけど、頭の中は自分とそのごく狭い周辺のことだけなんかなあ?
いや、他人はともかくわたしはどうなん?
そんなことを思いながらクリスマス一色のショッピングセンターを歩いていると、うしろで大好きなクリスマスソングが流れてきて。だけど、暖かなそれとは裏腹にわたしはどんどん冷えていくのでした。
自分が時にものすごく絶望的なきもちになるのに、こんなん願うのは大人の身勝手だと、わかってはいるけど。それでも子どもたちには「希望をすてないで」と思うのです。
by bacuminnote | 2005-12-07 15:57