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いま 本を読んで いるところ。


by bacuminnote
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baby blue sky !

▲ここ数日 朝晩急に冷え込み始めた。 道ゆけば、秋の陽差しはやわらかく 空はだいすきなベビーブルー。金木犀の香りがあちこちからあとを追ってくる。通りの家の二階 窓にゆれる色あせた簾(すだれ)が なんだか みすぼらしく見えて・・・そういや、うちも簾や葦簀(よしず)や扇風機に団扇、そろそろ片付けんとなあ、と思うのだった。

▲けど、
使わないものでも結構出しっぱなしで 整理整頓のできていないわが家なのに「季節もん」の仕舞い忘れに限って、何故そんなに気になるんやろか・・・と、この間ここにも書いた「四季」についてぼんやり考えながら歩く。
そもそも わたしは人といて「黙っている」ということができないタチ(苦笑)ゆえ、たまにはひとり口を閉じ、こうして静かに歩く時間もいいものだ・・・なぁんて思ったりするのも「秋」だから、かな。

▲この間、二十数年ぶりに東京に行った。
甥の結婚式に出席するため またまた我が四姉妹「枯草物語」とプラスワン(母)が集うことになった。
♪ うちら陽気な かしまし娘~ (って、こんな歌知ってる人は年がわかる) どこに行ってもうるさいことだ。そして久しぶりに会う 成長した甥や姪たちに、その陽気な「枯れ草」がみな同じ顔をしていると笑われるのであった。

▲もはや結婚式も告別式もその道のプロがプロデュースする時代になったようで、司会者の弁もなめらかで、昔のように友人の司会を「とちらないか」と心配することもない。
反面、ショーを見ているような気分もあって、なんだか落ち着かなくて・・・と、まあ いろいろ思うところはあったんだけど。
何より、もうたまらん、というくらいの笑顔がまぶしい若いふたりと 長いこと女一人 泣いて笑うて 踏ん張って この日を迎えた新郎の母である姉の嗚咽には「ケッコン式なんて」と ぼろくそに言うてた鬼(→わたし)の目にも涙だった。

▲この結婚式の他にも、東京では息子のアパートをのぞき、職場も訪ね、そのおもしろくて 感じのいい仲間たちとにぎやかにお昼ご飯も食べて。
田舎モンのわたしは広い東京でうろうろ、おろおろしつつも いつのまにかすっかり大人になった息子に「親ばか」視線な秋の一日。

▲夜遅くに大阪に着いて、翌日は旧友うらたじゅんの作品集『嵐電』の出版を祝う会。
東京では つげ義春氏も来て下さったらしい出版記念会の 関西版は、友人による友人のため、とも思える(笑)同窓会のようなにぎやかでたのしい集まりとなった。
じゅんとは初めてであった18の春以来、あほなこと いっぱいやってきた。彼女を通じて知り合った友だちも数多く、思えば彼女繋がりで相方とも出逢って。
いわば、わたしのジンセイの恩人(笑)でもある。

▲初めて会ったその日、自己紹介はいきなりマンガの話だったじゅん。
どこに行くにもバッグの中には鉛筆とスケッチブックが入ってて、わたしはわたしでノートとペン常備で、二人おもいっきりしゃべったあとは それ開いて、描いたり、書いたりしてたっけ。
今や知る人ぞ知る漫画家となったじゅんだけど、その清楚で賢そうな容姿をきっちり裏切る(笑)ずっこけキャラは相変わらずで、この日もちっとも主賓らしくなく、あっちこっちにグラスを配り、料理を運び、こけそうな話をしながら(笑)動き回ってた。

▲会場を見渡せば、お金もちはみごとに誰もいない(たぶん・・)仲間たちながら、みなそれぞれ若い頃とかわらず「すきなこと」をいろんな形で続けて「豊かな」暮らしをしていることを感じて とてもとてもうれしかった。
宴が始まって6時間後(つまり、まだその後も続いたもよう)後ろ髪を引かれつつ「酔っぱらい」はじゅんと心やさしい友だち数人に駅まで見送ってもらって(方向オンチなので)みんなとハグして別れる。
帰途 懐かしい緑色の京阪電車に揺られながら 一人でも多くじゅんのまんが、じゅんの世界にくらくらしてくれるといいなあ、と思いつつ大昔 シンコン時代をすごしたまちをあとにするのだった。

* あ、恥ずかしさのあまり 一番最後になりましたが この作品集 『嵐電』に 解説を書かせてもらいました。
by bacuminnote | 2006-10-13 16:13 | 出かける